ガソリンスタンドの会社から電力を買うということ。

電力自由化で、ガソリンスタンドを経営する石油元売り会社も電力会社として参入してきました。「ENEOSでんき」もその1つで、スタンドと連携した割引サービスが受けられます。現在供給しているのは関東エリアだけですが、徐々に全国展開していく予定です。


ガソリンスタンドの会社から電力を買うということ。
電力自由化でいろいろな電力会社が参入
なぜ石油元売り会社が参入してきたのか
ENEOSの電気料金
いろいろな特典があります。


★電力自由化でいろいろな電力会社が参入

 電力自由化に伴い、家庭の電力を供給する会社が自由に選べるようになりました。以前までは、東京電力や関西電力などの大手電力会社である「一般電気事業者」からのみしか電気の供給の契約ができませんでした。使用電圧が50kWを超える需要家ではすでに電力自由化が実施されていましたが、その使用電力の制限をなくして、どの需要家でも電力が自由に契約できるようになったのが2016年4月からです。ですので現在は、ガス会社から電力が買えたり、携帯電話会社から電力が買えたりできます。自然エネルギーから発電することを旨とする電気会社と契約することもできます。電力の選び方は人それぞれですが、前者はセットで契約することによりポイントなどの特典がもらえたり家計簿がシンプルになるというメリットがあり人気です。後者は、環境問題を気にする人たちに、社会貢献も兼ねているという点で人気です。そうした中、ガソリンスタンドの経営も手掛ける石油元売り会社も参入してきています。普段利用するスタンドと同じ会社を家の電力会社にする選び方もあります。


★なぜ石油元売り会社が参入してきたのか

 JXエネルギーが「ENEOSでんき」という名前で電力自由化に参入したのを機に、さまざまな石油元売り会社が参入を決めています。もともと電気をつくるには、そのエネルギー源が必要です。太陽光や風力・水力を利用した自然エネルギーもありますが、規模が大きく安定的なエネルギーを生み出すには火力や原子力を利用します。火力発電には、石油や石炭、天然ガスがその燃料になり、石油元売り会社はその燃料を自前で調達できるので、価格面で他の競合相手より有利になることができるのです。また、火力発電にはどうしても環境面の問題がつきまといますが、「ENEOSでんき」では天然ガスを主に利用しています。天然ガスはエネルギーになる効率が他よりも優れているので、二酸化炭素の排出量が石炭発電に比べ40%低く済みます。またバイオマスや水力も利用しており、安さとともに環境に優しい電力を届けています。


★ENEOSの電気料金

 「ENEOSでんき」は2016年に完全電力自由化する以前の2003年にすでに電力小売事業に参入していました。なので、他の新電力会社よりもノウハウを積んでいます。また携帯電話会社や大手スーパーなどでは、発電は大手電力会社のものを利用しているところが多く、形としては電気代の支払い代行といったものが多いですが、ENEOSでんきは発電施設を自社で持っている上、メガソーラー発電所及び風力発電所からの電気は、電力会社に販売してもいます。なので、電力の安定的な供給に不安をいだくことはないでしょう。電気料金は、多く使う家庭ほど割安になっている料金体系です。また、契約期間を1年だけでなく2年にしておくことで割引が適用されますし、3年目以降はさらに安くなります。現在は関東エリアでしか供給されていませんが、徐々に提供エリアは全国に拡大される予定です。

★いろいろな特典があります。

 JXエネルギーはガソリンスタンドも経営しているので、そのスタンドと連携した割引サービスがあります。ENEOSカードで電気料金の支払いをしそのカードを使ってガソリン代を払えば、ガソリン1Lにつき1円が割り引かれます。また、カードを使わなくてもTポイントが貯まります。Tポイントの利用手続きを済ませておけば、電気料金200円につき1ポイントがつくサービスです。他にも石油元売り会社が行っている電力サービスに、ESSOやMobilを経営する東燃ゼネラルの「myでんき」や、昭和シェルを経営する昭和シェル石油「ドライバーズプラン」があります。「myでんき」はスタンドと連帯した割引サービスは行っていませんし、「ドライバーズプラン」はスタンドと連帯した割引サービスを行っていますが電気料金が他より割高になっています。自分の車のガソリン使用量を考慮に入れ、自分に合ったプランが選んだ方がいいでしょう。